政府は10日までに、一定以上の収入のある75歳以上の高齢者の医療費について、窓口負担を1割から2割に引き上げる時期を2022年10月からとする方向で調整に入った。
今年6月に成立した医療制度改革関連法を受けた措置で、年末の予算編成で正式決定する。
同法では、2割引き上げの時期を22年10月から23年3月の間と定めており、政府は開始時期を調整していた。ただ、来夏に参院選を控えているため、与党内から新たな高齢者の負担増に慎重論が出る可能性もあり、流動的な要素も大きい。
75歳以上の後期高齢者の窓口負担は現在原則1割負担で、現役並みの所得(単身世帯では年収383万円以上)のある人は3割を負担している。
それを、単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯で年収計320万円以上の場合は2割負担に引き上げる。施行後3年間は激変緩和措置を講じる。
75歳以上の約20%、約370万人が対象。人口の多い団塊の世代が、22年から75歳以上になり始め、医療費が膨らむことから、財源を賄う現役世代の保険料負担を抑える狙い。