※パラジウムという金属の価格が2倍以上に急騰しているのをご存知でしょうか? たまたまモーサテで取り上げていましたよ。
パラジウムは近年、2,000~3,000円台を上下していましたが、2018年11月頃に価格が最高値となり、2019年2~3月時点では4,400円台となっています。金と同等であり、同じ貴金属でよく比較されるプラチナ価格も優に上回っています。
パラジウムは、プラチナや金ほど耳慣れた金属ではありませんが、主に「銀歯」、「装飾品」としての「プラチナの割り金」用途、「自動車の触媒」などの用途があり、とても私たちの生活に密着しています。
※パラジウムの用途は、特に自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くための触媒としての用途が大半を占めているそうです。
自動車から排出される有害物質には、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素がありますが、パラジウムやプラチナを触媒に使うことで、炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素に変換できるとの事。
プラチナとパラジウムは同様の触媒効果を持ちます。実は、パラジウムのここ数年の価格高騰、そしてプラチナを優に上回っている状況は、この自動車触媒用途のパラジウムとプラチナの関係性に要因があるとの事です。
ということは、その原産国のアフリカの価値も↑という事で 投資向きかもしれませんね。
「要因は?」
●ディーゼル車の排ガス不正でプラチナ価格低迷
2015年9月に独フォルクスワーゲンの排ガス不正処理事件が発覚してから、他のディーゼル車にも発覚し、欧州ディーゼル車全般は低迷に追い込まれました。なぜなら、ディーゼル車に対する規制が強まったことで、世界的にプラチナ需要全体の4割を占めるといわれるディーゼル車以外の、パラジウムを触媒とするガソリンエンジン車と電気自動車の需要が増加しているためです
●もともとの供給不足・希少性の高さ
パラジウムは、もともと貴金属の中でも希少性が高い、レアメタルです。パラジウムの供給ソースは、ロシアと南アフリカ共和国の2カ国で、世界全体の約85%を占めているといわれており、偏っているのが特徴です。もともとのパラジウムの希少性も、価格急騰を手伝っていると考えられます。
●米国・ロシア間の政治的要因
パラジウムの最大算出国であるロシアと、米国との間で生まれている政治的緊張の高まりも一つの要因といえます。米国がロシアに対して行った政治的制裁が、パラジウム産出に影響を与えています。