※国土交通省は19日、2019年の基準地価(7月1日時点)を公表した。
●訪日外国人観光客の増加や再開発事業の進展などで地方にも回復傾向が広がり、東京・大阪・名古屋の三大都市圏以外の地方圏では商業地が0.3%上昇し、1991年以来28年ぶりのプラスに転じた。住宅地や商業地など全用途の全国平均は0.4%伸び、2年連続で上昇した。
●商業地の全国平均は、訪日客増加を受けた店舗やホテルの進出意欲の高まりなどを背景に1.7%伸び、上昇幅は前年の1.1%より拡大。働き方改革で従業員1人当たりの床面積を広くするなど環境改善の動きも出ており、オフィス需要が堅調に推移している。
●住宅地の全国平均はマイナス0.1%で28年連続の下落だが、下げ幅は前年の0.3%から縮小した。雇用や所得の改善が続き、低金利や住宅取得支援施策などが需要を下支えして、改善傾向が続いている。
●三大都市圏では、住宅地が0.9%(前年0.7%)、商業地は5.2%(同4.2%)それぞれプラスになり、上昇基調を強めている。地方圏の中核である札幌、仙台、広島、福岡4市の商業地は10.3%上昇。2桁の上昇率は07年以来12年ぶりだ。交通インフラの整備が進んで利便性が高まり、住環境の優れた地域を中心に需要が高まっている。
●都道府県別に見ると、上昇率トップは住宅地、商業地いずれも観光産業が好調な沖縄で、それぞれ6.3%、12.0%の伸び。下落率最大はいずれも秋田で、住宅地が2.0%、商業地が2.1%のマイナスだった。
●全国で地価トップは、住宅地が「東京都港区赤坂1の14の11」の1平方メートル当たり453万円(新規地点)。商業地は14年連続で東京都中央区銀座2の6の7の「明治屋銀座ビル」で同4320万円(前年4190万円)。