ジム・ロジャーズ・・・

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カテゴリー: 平野の独り言

「今あなたが65歳なら、残りの人生を終えるまでの間は、日本政府がしっかり面倒を見てくれるだろう。あなたが10歳なら、日本から出て違う言語を学ぶことをすすめたい。もっとも『FLASH』に、10歳の読者はいないかもしれないが(笑)。

そして、あなたが40歳や50歳ならば、自己防衛に努めるべきだ。10年先、20年先の日本では、給与は今より下がり、次第に税金は高くなっていくだろうから」  

推定資産は、1000億円超ともいわれるジムロジャーズ氏(80)。大の日本びいきながら、新刊『捨てられる日本 世界3大投資家が見通す戦慄の未来』(SB新書)を刊行した“世界三大投資家”の一人が、本誌に語ったサバイバル術とは――。

「私は、岸田政権の政策を支持できない。すでに日本は死に体だ。借金はどんどんどんどん(going up, up, up, up…)増え、国力は下がっていく。

特に日本のような繁栄している国で、これ以上借金をする必要なんかない」  

これまで、世界のなかで例外的に金融緩和を続けてきた日本。ところが昨年12月、日本銀行は突如として長期金利の上限を0.25%から0.5%に拡大した。

ロジャーズ氏は、この方針転換の行く末にも懐疑的だ。

「円安に誘導する金融緩和政策は、たしかに輸出企業には追い風になり、株価も大きく上昇した。

しかし、中長期で見ると、こうした政策が経済成長に寄与したことは歴史上、一度もない。  

黒田総裁の政策転換は、嬉しいニュースだった。だが、この方針転換は『一部見直し』にすぎず、結局その後も、バカげた金融緩和を続けている。  

一方で日銀は、何年にもわたってたくさんのカネを刷り続けている。円の価値が相対的に下がるのは当然で、矛盾だらけだ。次の日銀総裁は、大変な目に遭うだろうね」  

4月8日に、黒田総裁は任期満了を迎え、後任には雨宮正佳副総裁が就く路線が濃厚となっている。

「新総裁がなすべきことは、市場を支配しようとすることをやめ、金利を国際的なレベルに引き上げることだ。私は新総裁のことをよく知らないが、賢明であることを願っている(笑)。

ただ、こういうときに、日本では大きな変化は起こりにくいとも思うね」  世界の相場参加者は日銀のことを「信用できない」と考えており、日本円を売り浴びせている。 「残念ながら、このままでは日本経済は弱体化し、捨てられることになるだろう。

しかし、危機は同時にチャンスでもある。これは30年間誰も予想してこなかったことだが、今後3年以内に日経平均株価は、史上最高値の4万円に到達する可能性がある」  

2021年9月につけた3万円台を一度も回復することなく、現在の日経平均は2万7000円台にとどまる。2026年に向けて、何が起こるのか。

「もし、日銀が性懲りもなく金融緩和と紙幣の発行を続ければ、外国人は円安で安くなった日本株を買うだろう。  一部の輸出企業も、円安の恩恵を受けて儲かるはずだ。日本人も、じりじりと資産が目減りするよりはと、株や貴金属を買うようになるはずだ」  

そんな今の日本の状況は、1920年代のドイツに似ているとロジャーズ氏は語る。 「当時のドイツは、戦勝国への賠償金の支払いのため、大量の紙幣を印刷し、1兆倍と呼ばれるハイパーインフレが起き、経済は崩壊した。  

しかし、失業者が溢れるなか、株式市場で巨額の富を得た人も存在した。現金だけを保有することをリスクに感じたドイツ人が、株式市場に投資したからだ」  

では今、ロジャーズ氏は何に投資しているのか。 「米ドルは、明らかに強力で優れた通貨だ。保有していれば、自分の身を守れる。私はキャッシュはドルで保有し、金や銀なども購入している。  

そして、日本株の小型株も投資信託で保有している。いつかは売らなければならないと思うが、今ではない」  

金は2018年から約2倍に上昇しており、日本株も回復基調が鮮明だ。金は数千円から、株も投資信託ならワンコインから投資できる。