2025年問題・・・

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更新日:2023/02/07

カテゴリー: 平野の独り言

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団塊の世代が全員75歳以上となる「2025年問題」

少子化、インフレ対策、賃上げ……さまざまな問題に待ったなしの状況ですが、なかでも大問題といえるのが高齢化。

「2025年問題」はひとつのターニングポイントとして、社会のさまざまな分野に大きな影響を及ぼすと予想されています。

そもそも「2025年問題」とは、日本人の人口のボリュームゾーンのひとつである「団塊の世代」800万人全員が75歳以上の後期高齢者になるというもの。

団塊の世代は第二次世界大戦直後の1947年~1949年、第1次ベビーブームに生まれ、日本の高度成長を牽引してきた人たちです。

その人たちが全員75歳以上になることで、1億2,000万人ほどの日本人のうち、実に2,180万人もの人が後期高齢者に達するのです。

厚生労働省『今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像』では、「2025年問題」にあたり、大きく5つの問題点を指摘しています。

1.高齢者数の問題

これまでの問題は「高齢化の進展の速さ」だったが、2015年以降は「高齢化率の高さ≒高齢者の数の多さ」が問題となる。

2.認知症患者の増加

認知症高齢者数は約 320 万人になると推計され、急速に増加すると見込まれる。

3.単身高齢者の増加

高齢者世帯数は約1,840万世帯、そのうち7割ほどが1人暮らし、または高齢夫婦のみの世帯となる。

4.死亡者数の増加

年間死亡者数は急増し、年間約160万人、そのうち65歳以上の高齢者は約140万人に達する。

5.都市部の高齢化による問題

今後急速に高齢化が進むのは首都圏をはじめとする「都市部」。これまでにない高齢者の「住まい」の問題等が顕在化する。 社会全体でいえば、医療費の増加がまず問題視されています。

厚生労働省『令和3年度 医療費の動向』によると、1人あたりの医療費は75歳未満で23万5,000円。それに対し、75歳以上だと93万9,000円。およそ4倍にもなります。

その医療費を現役世代が中心となり支えてきたのですが、今度は支えられる側に。どれほどの負担増になるかは明らかです。

そんな問題に対し、サラリーマンの保険料率は、2025年に31%に増える見込みだとされてきました。そこにきて「異次元の少子化対策」。

その財源は、各保険料から拠出するという案が最有力とされています。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、日本人*の平均給与(所定内給与額)は30.74万円。手取りにすると24万~25万円ほど。果たして、この負担増に現役世代は耐えられるのでしょうか。

想定介護期間「男性9年、女性12年」…問題は介護するのは誰か

より個々の問題としては、「介護」があげられます。日本の平均寿命は、男性81.47歳、女性87.57歳。一方、「日常生活に支障なく暮らせている」という健康寿命は2019年値で、女性75.38歳、男性72.68歳。

つまり男性の介護期間は9年、女性の介護期間は12年と想定されます。

問題は介護を必要としている人を「誰が介護するのか」ということ。厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』(2019年)によると、「主な介護者」の54.4%は「同居している家族」です。

その内訳は、「配偶者」が23.8%、「子ども」が20.7%、「子の配偶者」が7.5%と続きます。 ここから分かるのが、まずは「老老介護」の問題。夫婦の場合、男女の年齢差は平均2~3歳。そして平均寿命の男女差を考えると、「年老いた妻が年老いた夫を介護する」というケースが相当数にのぼり、その数は2025年を境に急激に増えていくと考えられます。

また少子化が進み、「介護をする人」よりも「介護を必要とする人」のほうが多いという問題も。単純に考えて、一人っ子の場合、将来的に父親、母親、2人の介護をする可能性があります。それは時間差で長期間に及ぶ場合もあるでしょうし、2人同時に介護が必要になることも考えられます。

子どもが親の面倒をみるとなった場合に、仕事との両立はどうでしょうか。難しい場合も多いでしょう。

厚生労働省『雇用動向調査』によると、介護を理由に離職する人は、毎年7万~10万人ほどで推移しています。その数も今後急激に増えていくと指摘する専門家も。 もし介護離職となると、どうなるのでしょうか。

介護にかかるコストは親の年金などでまかなうとして、心配なのは介護者の老後です。仮に大学卒業後、50歳まで会社員として働き、その後介護離職をしたとしましょう。

50歳まで日本人の平均的な給与を手にしてきたとすると、65歳で手にする厚生年金は月5万9,633円。国民年金は満額を手にすると月12万円強が老後生活のベースとなります。

それだけの年金額でも貯蓄が十分にあれば問題はありません。しかし50歳で介護離職し資産拡大のタイミングを失った場合、ほとんど資産形成を進めることができず、「貯蓄もゼロに近い」というケースも考えられます。

そのような状態で次は自分が介護される側に。親のように介護費用を捻出できるかどうか、あまりに不透明です。

そんな負のスパイラルは親から子、さらに孫へと続いていくかもしれません。

※2025年に起こる大問題。それ以降の日本の社会は、あまりに悲惨であることが想定されています。

必ず起こる未来に対して、私たちはどのように備えればいいのでしょうか。

いままで以上に財政がひっ迫することが予想されるので、国に期待するのは難しく、自助努力しかないといえるでしょう。

賃金がなかなか上がらないなか、税金を払い、保険料を払い……それでも「将来の面倒は自分で」というのが現実なのです。