■固定金利?変動金利?

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カテゴリー: 不動産の豆情報

2022年は、世界中で金利が引き上げられ株式市場にネガティブインパクトを与えました。日本では引き続きマイナス金利政策が継続されていますので、あまり深刻に捉えている人は少ないかもしれませんね。

ただ、じわりじわりわたしたちの生活にも金利上昇の影がしのびよっているのです。メガバンクを筆頭に固定金利を続々引き上げ 昨年の12月30日、大手銀行5行は、2023年1月の固定型の住宅ローン金利を引き上げると発表しました。

10年固定基準金利は、9年半ぶりの高い水準に。また、地銀でも続々、住宅ローンの固定金利引き上げを発表しています。

各銀行が住宅ローンの金利を引き上げている理由は、日銀が発表した金融政策の修正にあります。

長期金利の上限を0.25%程度から0.5%程度まで引き上げたことにより、長期金利が上昇し、その影響を受ける住宅ローンの固定金利を引き上げたというわけです。

固定金利は上がるのに変動金利は上がらない理由

2022年3月25日に発表された国土交通省の調査によると、2020年度の住宅ローン新規貸出額のうち、なんと70.0%が変動金利ということでした。

となれば、変動金利が上昇すると、日本人の多くの人が困惑することになります。

ところが、今のところ変動金利が上昇したというニュースは聞こえてきません。これはいったいどういうしくみなのでしょう?

じつは住宅ローンの固定金利と変動金利は、連動する金利が違っています。固定金利は、長期金利に連動しますので、日銀が長期金利の代表とされる10年債の金利の上限を引き上げたことによって、固定金利も上昇しました。

一方、変動金利は、短期金利と連動しています。その短期金利は、日銀の政策金利に連動します。冒頭でも述べたとおり、日本の政策金利はマイナスのまま据え置いていますので、変動金利は上昇していないのです。

“異常な状態”がいつまで続くか?

一般的に固定金利(全期間固定金利)と変動金利では、変動金利のほうが金利が低く設定されます。なぜなら固定金利には、長期にわたる金利の変動リスクに対する保険料が加算されるからです。

今現在、住宅ローンの固定金利は、10年で1%、10年以上の超長期で1~2%程度、一方の変動金利は、0.5%以下ですが、金利差が広がれば、ますます変動金利が魅力的に見えます。「住宅ローンを組む人の大半が、変動金利を選んでいます」と言われれば、そのしくみをよく理解していなくても、変動金利をチョイスしてしまいそうです。

変動金利はここ20年ほどほとんど変わっていません。変動金利を選ぶ人が多いのもそのためですが、今後も変わらないかというと、それは誰にも分かりません。

ただ、政策金利がマイナスというのは、景気を活性化させるための特殊な手段であって、異常な状態である以上、いつかは正常な政策金利へと戻す必要があります。今までずっとマイナス金利のままであったのは、日本が長くデフレ状態で低成長だったためで、今後、物価が上昇し、インフレが進行すれば、政策金利を引き上げる可能性は大いにあります。

住宅ローンの返済は長期にわたりますので、その間、ずっと変わらないと考えるほうがむしろ不自然に思います。

となれば、今後住宅ローンを組む際には、どっちの金利を選ぶべきでしょう? さらには、現状すでに変動金利でローンを組んでいる人はどうすれば? 

※近々、日銀の政策如何で 結果が出てくるかもしれません。