政府の地震調査委員会は13日、南海トラフで今後20年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率(1月1日現在)を、前年の「50~60%」から「60%程度」に引き上げた。
南海トラフ地震など周期的に発生する地震では、地震が起きていない期間が長引くほど発生確率が上がる。
今回の引き上げも時間の経過に伴うものだ。10年以内で「30%程度」、30年以内で「70~80%」などとしている発生確率については前年の評価を据え置いた。
平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)は13日の記者会見で、「いつ地震が起きても不思議はない状況なので、備えを進めてほしい」と述べた。
→ 日頃の備えに患いなし
※
南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ
政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震(以下、「南海トラフ巨大地震」という)が発生した際の被害想定を実施しています。
この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。