※退職時に年収1000万円あったサラリーマンは、65歳以降にいくらの年金を受け取ることができるのでしょうか。
ここではモデルケースを使用して、65歳以降に受け取れる年金の概算額を算出してみましょう。
■サラリーマンの老齢年金は2階建て
サラリーマンなどの厚生年金加入者が65歳から受け取れる老齢年金には「老齢基礎(国民)年金」と「老齢厚生年金」があります。 「老齢基礎年金」は、国民年金に加入して保険料を納めた方が、原則65歳から受け取れる年金です。国民年金の保険料は、年齢や収入に関係なく一律に設定されています。また、65歳以降に受け取れる老齢基礎年金額は、国民年金を納めた月数により決まります。 サラリーマンなどが納める厚生年金の保険料は給与や賞与の額により異なります。また、65歳以降に受け取れる老齢厚生年金額は、納めた厚生年金保険料の額と厚生年金に加入した期間に応じて計算されます。厚生年金に加入している方は国民年金にも自動的に加入しているため、サラリーマンなどは、厚生年金と国民年金の2つの年金制度に加入していることになります。
■老齢基礎年金と老齢厚生年金の大まかな給付額は以下で計算できます。
①<老齢基礎年金>
老齢基礎年金の年金額 =満額の老齢基礎年金額 × 20歳~60歳になるまでの加入月数 ÷ 480月
②<老齢厚生年金>
(1)平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月までの加入月数
(2)平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の加入月数
※(1)+(2)=老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額
■入社時から一定の期間は年収600万円、その後退職時まで年収1000万円であったAさんをモデルケースとして概算額を算出しましたが・・・・
●老齢基礎年金の受給額の概算
78万900円(満額)×444月/480月=約72万2333円
●老齢厚生年金の受給額の概算
(1)38万円×7.125/1000×288月=77万9760円
(2)(62万円+20万円)×5.481/1000×156月=約70万1130円
(1)+(2) =約148万890円
※(2)の計算式にある20万円は、標準賞与額125万円×2(250万円)を12ヶ月で割ったものを使用。
※経過的加算や加給年金などは老齢厚生年金の計算に含めていません。
●受給できる年金の合計月額の概算
(約72万2333円+約148万890円)÷12ヶ月=約220万3223円÷12ヶ月=約18万3600円
よってAさんは毎月約18万3600円の老齢年金を受け取ることができます。
なお、年金の振り込みは2ヶ月に1回であること、また、所得税・住民税や介護保険料などが天引きされて振り込まれます