※朝のニュースより →
世界的な「ウッドショック」の影響を受けるのが、大量の木材を使う住宅です。
新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化とともに、注文住宅の契約も増え、客の数は去年に比べ1.5倍になりました。
好調に見える住宅販売ですが、外国産木材のコストが高くなり、輸入量も減って、品薄になっているため、木材価格は3割ほど上昇したといいます。
木材の調達に苦しむ住宅メーカーでは中小の事業者を中心に、着工時期の遅れなどをめぐり顧客とトラブルになるケースも相次いでいます。
→ 「ウッドショック」はアメリカから広がりました。引き金となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。
リモートワークの普及などによって、郊外への移住や一戸建ての需要が高まり、新築やリノベーションの需要が急増。木材価格が高騰しました。
新築住宅の販売件数は、新型コロナの感染拡大前を上回っています。
さらにワクチン接種の広がりによる景気回復への期待感も、木材価格が高騰する一因とされています。
「ウッドショック」は過去にも2度、起きています。1990年代以降、アメリカで絶滅危惧種のフクロウ保護のため森林伐採の規制が進み、木材の供給不足になりました。
また2度目は2008年のリーマン・ショックが起きる直前。好景気で住宅の建設ラッシュとなり、木材の価格が上昇しました。そして、今回は新型コロナの影響です。
※世界中の木材がアメリカに集まり、日本にも影響を及ぼしています。住宅に使う木材の7割を海外産に頼ってきた日本。
輸入量が減少したことで、今、国産の木材に注目が集まっています。 東京・西多摩郡にある多摩木材センター協同組合では毎月2回、木材の競りを開催しています。
取材に訪れた4月26日、競りにかけられていたのは地元で伐採された700立方メートル分の木材。スギが半分、ヒノキが3割を占めます。
競りは一見、活況のように見えましたが、訪れた製材業者は「採算を度外視して買っている」「輸入材が買えないから(買い手が)仕方なく国産材に集まっている。
だからびっくりするくらいの値段になっている」と語ります。 国産木材の価格は2021年に入って上昇傾向。
多摩木材センターでは1月10日に7260円だったスギ材(3メートル材)の価格が、4月9日には1万1825円と1.5倍以上となっています。
中には4月上旬と比べ、3割近く値上がりした木材もありますが、それでも輸入木材が品薄のため、高価格でも引き合いが殺到しているといいます。
競りに訪れていた製材所の社長は「設計事務所も普通に家造りをしていたが、全く材料が揃わず、着工をどうしようかとなっている。
『とにかく今、与えられている物件を建てなければ』と懸命にやっている」と話します。
→ 日本にも影響を及ぼし始めている「ウッドショック」。 今後どうなっていくのか・・・・ コロナが多種にわたって影響をじわりじわりと及ぼしています。