500万円で一戸建てが完成 驚異の技術に世界が注目…日本企業が挑戦する3Dプリンター住宅
本格的な住宅が24時間、500万円ほどで建つとは驚きだが、強度や耐水性、断熱性、耐火性、耐震性など、一般に住居として求められる基準は満たしているのだろうか。
「素材は一般的なコンクリートに特殊な硬化剤などを混ぜたもので、二重構造にすることで断熱性を高めています。
世界一厳しい日本の耐震基準をクリアしており、強度も問題なく、各種特許も出願しています。
球体という形がポイントで、これが自然災害に最も強い形状です。
現状、世界中で開発が進んでいる一般的な3Dプリンター住宅は、壁部分のみを3Dプリンターで出力する工法を取っており、工程や建築コストも従来の住宅と大きく変わりませんが、球体であれば家自体がひとつの構造体で、建築納期やコストを大幅にカットできる。専門的な部分なので説明しづらいのですが、屋根のいらない角度のついた球体の壁を出力する技術こそが他にはない弊社の強みです」との事。
500万円で一軒家が建つ時代が到来すれば、現行の建築・住宅業界も影響を受けることは必至だが、意外にも業界団体の不和や圧力などはないという。
背景にあるのが、深刻な日本の住宅ローン事情だ。
「住宅ローンの平均完済年齢が73歳、4割の人が一生家を持てないともいわれる時代です。
『一生賃貸でいい』という選択も、60歳以上からは更新を渋られるケースも多く、住む場所を失った高齢者から安い家を求める問い合わせも年々増えています。
今の住宅ローンの仕組みでは、いずれローンを払い切れなくなる人が増えることは業界関係者も分かっている。
3Dプリンター住宅の技術開発の流れは止まらず、いわゆるゲームチェンジが起きつつあります。
一方で、高いお金を払っても今までのような家に住みたいという需要も変わらずある。
ハレーションは起きないと思います」 今後は2025年の大阪・関西万博で世界へ向けてアピールし、「車を買うように家を買い、すべての人から住宅ローンから自由にすることが目標」との事。
果たして本当にあと数年で住宅業界をめぐる事情は一変するのか。3Dプリンター住宅の今後を見守りたいところだ。
→ GOODニュース 早く実現してほしいものです。